離婚調停

名古屋家庭裁判所にて夫婦関係調整(離婚)の調停がありました。

調停は,裁判官(家事審判官)と一般市民から選ばれた調停委員2人による調停委員会が手続きを進め、話し合いにより当事者間の合意によって紛争の解決を図る手続です。

離婚や相続などの家庭内の紛争については,家事調停として取り扱われることになります。

この家事調停は,家事事件手続法別表第2に掲げる事項に関する調停(別表第2調停),特殊調停,一般調停とに分かれ,離婚や夫婦関係の円満調整などは,一般調停に含まれます。

離婚調停は,本人の出頭が原則であり,正当な事由なしに出頭しなかった場合は5万円以下の過料の制裁があります。

特に,調停離婚は,成立日に本人が出頭しないといけないので,弁護士に依頼をしていたとしても,弁護士任せにすることはできません。

それでも,調停そのものは訴訟に比べれば手続も簡便で,離婚に関連する子や財産上の問題も同時に解決することができ,何より,第三者である調停員会が関与するため,著しく不当な結論を避けることも期待できます。

こうして何度かの調停期日を繰り返し,最終的に離婚の合意が成立した場合は,その合意が調停調書に記載されます。

この調停調書の記載は確定した判決と同一の効力を持ちます。

逆に,合意ができなかったときは調停不成立となり,調停は終了します。

もっとも,裁判所が当事者の諸事情を考慮し,調停に代わる審判の形で結論を示すこともあります。

これは審判離婚といわれるものですが,2週間以内に当事者から異議が申し立てられた場合,審判は効力を失います。

調停審判によっても離婚に至らなかった場合,人事訴訟の手続に基づく訴訟に移行することになります。

離婚についてお悩みの方は,当法人の弁護士までお気軽にご相談ください。

 

送達

先日,名古屋地裁へ提起した訴えにつき,訴状を被告に送達することができないとの連絡が入りました。

送達とは,訴訟の当事者に訴状や呼出状等を交付することです。

訴訟を提起する場合,訴状を裁判所へ提出するのですが,訴状は正本のほかに,被告の人数分の副本を提出します。

この副本を被告に届ける手続が送達です。

送達方法は郵便であり(民事訴訟法99条),裁判所から訴訟当事者に対して送達がなされたことを,日本郵便株式会社が証明する特別送達という形式がとられます(民事訴訟法109条,郵便法44条及び49条)。

送達場所は,被告が個人であれば住所や居所等が原則ですが(民事訴訟法103条1項,通常送達),相手が受け取らないような場合は勤務先への送達も可能です(民事訴訟法103条2項,就業先送達)。

また,被告が留守でも書類の受領について相当のわきまえがある同居者がいればその者に書類を交付することができるし(民事訴訟法106条1項,補充送達),勤務先における送達の際にも書類の受領について相当のわきまえのある者が拒まない限り書類を交付することができます(民事訴訟法106条2項,補充送達)。

さらに,被告や同居者が,正当の理由なく受領を拒絶した場合,郵便配達員は,書類を差し置くこともできます(民事訴訟法106条3項,差置送達)。

ところが,今回,私が名古屋地裁に提起した件は,被告への通常送達,休日送達を実施したのですがいずれも受領かなわず,就業場所もわからないため就業先送達もできない状態でした。

この場合,民事訴訟法107条の規定により,書留郵便等に付する送達(付送達)を裁判所に上申することになります。

付送達は,被告が住所や居所に住んでいるのに受け取ろうとしないだけであるから,裁判所からの書留郵便等の送達をもって受け取ったものとみなし,裁判手続を進めることができるというものです。

被告が知らないうちに裁判が進んでしまう可能性もあるので,裁判所も慎重にならざるを得ず,原告側に対して現地調査(メーターのチェックや郵便受けの状況,近隣住民や管理人への聞き込みなど)の依頼を原告代理人の弁護士に求めてきます。

今回,名古屋地裁からの連絡も,付送達のための現地調査依頼の連絡でしたので,本日,現地調査を行い,被告の居住の事実について報告書を作成し,付送達上申書とともに,名古屋地裁へ提出した次第です。

このように,送達が完了しないと裁判を開始することができません。

送達が完了するまでは一苦労させられることもあるという弁護士からの報告でした。

 

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名古屋まつり

台風21号の影響で,今日明日にかけて行われる予定であった名古屋まつりの英傑行列が中止となりました。

英傑行列が中止となるのは,開催以来3度目。

豪華絢爛な行列は名古屋の秋を象徴する最大の見世物で,私も事務所を抜け出して見に行く予定でしたが,天候には勝てません。

粛々と事務所での仕事を進めようと思います…

慰謝料

慰謝料は,一般的に,精神的損害に対する賠償,非財産的損害に対する補償といわれますが,その具体的内容は事件によって様々です。

例えば,交通事故においては,交通事故に伴う治療の終了時(症状固定時)を境に,①傷害慰謝料,②後遺障害慰謝料が認められています。

また,離婚においては,①他方配偶者の不法行為に伴う精神的損害に対する慰謝料,②配偶者としての地位を失うことに対する精神的損害に対する慰謝料の二つの側面があります。

いずれにしても,慰謝料の法的根拠は,民法709条710条の不法行為に基づく損害賠償請求権であり,被害者側に立証の責任が課されます。

もっとも,精神的損害の算定にあたっては,どのような事情を考慮するかについては特別の定めがあるわけではありません。

裁判例においても,裁判所が「各場合における事情を斟酌し,自由なる心証をもって之を量定すべきもの」(最高裁判決昭和47年6月22日)とされています。

すなわち,詳細な証明がなされたわけではないけれども,相応の損害があったことは確かであるとの心証を得たものについては,これを適当に評価して「慰謝料」という項目の中に調整的に組み込むことが行われたりするのです。

これを慰謝料の補完的機能といいます。

そうはいっても,交通事故でも,離婚でも,慰謝料として考慮される事由は,裁判例の蓄積の中である程度の傾向が存在します。

交通事故や離婚に伴う慰謝料について疑問をお持ちの方は,当法人の弁護士までお気軽にご相談ください。

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当事者尋問

本日,名古屋地方裁判所において,損害賠償請求事件の当事者尋問が行われました。

当事者尋問は,争いのある事実について当事者本人を尋問し,過去の事実を陳述させ,それを証拠資料とするために行われる証拠調べのひとつです。

すなわち,当事者尋問の申し立ては,証拠の申し出に他なりません。

そのため,当事者は,訴訟の主体でありながら,証人と同じく,出頭,宣誓,陳述の義務を負うことになります(民事訴訟法第208条)。

当事者は,主張する事実関係を最もよく知る存在であることからすると,当事者尋問は,真実発見の観点から,適当かつ重要な制度ということがいえます。

先週あった刑事事件の被告人質問と同様,民事事件の本人尋問においても,弁護士のストーリーを押し付けることのないよう配慮をしてはいるのですが,やはり本番は予定通りにはいかないもので,尋問の難しさをつくづく痛感させられるこの一週間となりました。

 

被告人質問

本日,名古屋地方裁判所において,国選刑事事件の公判期日があり,即日結審しました。

公判期日においては,被告人質問が行われるのが通常です。

裁判官,検察官,弁護人らは,被告人が任意に供述してくれる限りで,いつでも必要な供述を被告人に求めることができるため(刑事訴訟法第311条2項3項),尋問の形式を利用して,被告人に質問を投げかけ,語ってもらうわけです。

被告人の語った内容は,有利不利を問わず証拠となります。

もっとも,被告人には黙秘権が保障されていますから(刑事訴訟法第311条1項),終始沈黙してもよいし,個別の質問に対して供述を拒むことも自由です。

証人のように偽証罪(刑法169条)に問われることもありません。

被告人質問に際しては,被告人と打ち合わせをすることはもちろんなのですが,弁護人のストーリーを押し付けてしまうとかえって無理が生じてしまうので,方向性だけを示し,質問などは被告人が回答しやすいようにするなどの工夫をしています。

それでも,本番の緊張状態の中では,態度や仕草,言質などにその人らしさというものが必ず現れるものなので,予定とは違った心象を裁判官に与えることも決して少なくなく,被告人質問が打ち合わせ通りに進んだということは,弁護士になって以来,一度もないというのが正直なところです。

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保釈保証金の立替え

私が国選弁護人を務めている事件について,名古屋地方裁判所から保釈許可決定が出されました。

保釈が執行されるためには,保釈許可に加え,保釈保証金の納付が条件となりますが,国選弁護事件の場合,保釈保証金を準備できないことがあります。

そのようなときは,日本保釈支援協会に保釈保証金の立替えを依頼することになります。

同協会への立替え依頼の手順としては,まず,被告人の関係者が保釈保証金の立替えを申し入れ,同協会は立替え可能か審査を行います。

審査において立替えが許された場合,関係者と同協会が立替委託契約を締結し,この委託契約に基づいて担当弁護人へ立替金が送金されることになります。

弁護人は,送金された立替金を保釈保証金として裁判所へ支払うことで保釈が執行され,被告人の身柄は解放されることになるのです。

国選弁護事件については,多額の保釈保証金を納付してまで保釈を請求することが許されるのかという議論が存在しますが,保釈請求は被告人の権利・利益を擁護するための重要な活動であり,このことは私選国選で違いはありません。

保釈許可が見込まれる事案について果敢に保釈請求を行うことは,人権擁護を担う弁護士の大切な務めでもあるのです。

登記事項証明書

会社等の法人は,その性質上,自ら実際に訴訟行為を行うことができません。

そのため,法人の代表者等が法人のために訴訟行為を行い,その効果が法人に帰属することになります(民事訴訟法第37条)。

そして,法人の代表者の資格及び訴訟行為をするについての必要な授権については,書面で証明しなければならない(民事訴訟規則第15条)とされています。

会社の代表取締役等の資格を証明するための書面は,登記事項証明書です。

登記事項証明書は,弁護士に限らず,誰でも所定の申請をすることで法務局にて取り付けを行うことができます。

私も,法人を相手方とする訴訟提起を予定しており,登記事項証明書を取り付けする必要がありました。

ふだんは郵送や裁判所まわりの事務の方へ依頼して取り付けをするのですが,本日は名古屋地裁の期日があったため,期日終了後に名古屋法務局へ立ち寄って,私自ら登記事項証明書の取り付けを行うことにしました。

名古屋地裁と名古屋法務局は直線距離にして500メートル程度のため,徒歩で向かいましたが,いざ歩いて行くと,真夏の盛りであることもあって,(少しですけど)体力的に消耗してしまいました。

事務の方の仕事を弁護士自らが実践してみることは常々大事とは考えていましたが,事務の方の苦労をその身をもって知った一日となりました。

 

責任保険

責任保険とは,被保険者が賠償責任を負担することによって被る損害を補償する保険のことです(保険法第17条2項)。

身近な責任保険のひとつに,自動車保険があります。

もっとも,責任保険は、賠償事故の原因となる行為や事由に応じて異なる商品が用意され,その内容は多種多様です。

責任保険を大きく分けると,①企業・事業者向けの責任保険と,②個人向けの責任保険に大別されます。

①企業・事業者向けの責任保険には,施設内における仕事の遂行に起因する賠償事故を補償する「施設賠償責任保険」や,弁護士業務に起因する賠償事故を補償する「弁護士賠償責任保険」などがあります。

②個人向けの責任保険には,被保険者本人や同居の家族が引き起こした賠償事故を補償する「個人賠償責任保険」や,ゴルフのプレー中の賠償事故を補償する「ゴルファー保険」などがあります。

このうち,個人賠償責任保険は,「自転車に乗っていた子どもが他人にぶつかりけがをさせた」「キャッチボールをしていてボールを取り損ない,高級外国車を傷つけてしまった」といった日常生活における不注意に伴う事故において威力を発揮します。

個人賠償責任保険は,家族の中で一人が加入していれば家族全員が保険の対象となり,保険料についてもリーズナブルに設定されているのが普通です。

高額損害賠償事例も問題になっている今日においては,心強い存在といえるでしょう。

しかし、個人賠償責任保険は,一般的に単独の商品としては販売されておらず,火災保険や傷害保険の特約としてセット販売されているため,付帯そのものに気付かない方も多いようです。

利用できる保険を知っておくことは,日常生活における思わぬリスクを回避するためにとても大切なことですから,お時間のあるときにご自身の加入されている保険の内容を確認されるとよいでしょう。

 

 

 

 

路線価

国税庁から2017年分の路線価が公表されました。

名古屋市内の路線価は,3月に公表された公示地価と同様に,全体的に上昇傾向にあるようです。

名古屋市内における路線価最高値は,名古屋中村税務署管内の名駅通りで,13年連続で県内最高値の路線価を記録しています。

名古屋市中村区は,名古屋駅のある名古屋市の中心街であり,当法人の本部及び名古屋駅法律事務所の所在地でもあります。

名古屋駅周辺はオフィスや飲食店の開業が相次ぎ,近年めまぐるしい再開発に沸いており,リーマンショック以前の地価回復をけん引してきました。

リニアモーターカーの開業に向けた動きも,路線価を上昇させる一因となっているようです。

この路線価が,土地の相続税や贈与税の計算に一般的に用いられていることは,以前このブログにも掲載したとおりです。

もっとも,路線価を必ず用いる必要はなく,例えば,不動産鑑定士の評価額が路線価を下回るようなケースでは,当該評価額を税計算に用いることも認められています。

一方で,税務上の制度趣旨に基づき,路線価を用いることができないケースもありますので,相続に疑問をお持ちの方,お困りの方は,相続に詳しい当法人の弁護士や税理士までお気軽にお尋ねください。

 

柏駅法律事務所へのアクセス

当法人の事務所はすべて駅近郊にあるため,電車で来所されるお客様には大変喜ばれております。

また,お車で来所されたお客様のために駐車場もご案内さしあげております。

柏駅法律事務所へお越しのお客様,安心して当法人までお越しください。

柏駅法律事務所のほか,当法人の事務所へのアクセスについては

こちらをご参照ください。

柏駅法律事務所が開設いたしました

弁護士法人心柏駅法律事務所が開設いたしました。

当法人にとって,千葉県内では初めての事務所となります。

柏市近郊の皆様の来所をお待ちしております。

柏駅法律事務所の詳細についてはこちらをご参照ください。

 

裁判員制度

平成21年5月21日より、裁判員制度がスタートしました。

裁判員制度の下では,裁判員候補者がくじで選ばれ,裁判所ごとに裁判員候補者名簿が作成されます。

裁判員候補者名簿に載った方には,その旨が通知されますが,名簿に載っただけでは裁判所に行く必要はありません。

裁判員制度の対象となる事件の裁判がおこなわれることになった場合,事件ごとに,裁判員候補者名簿の中から,くじによって,裁判員候補者が選ばれることになります。

裁判員候補者には裁判所への呼出状が送付され,裁判員の選任手続が実施されます。

裁判員の選任手続は非公開で行われ,裁判長が候補者に対して質問をし,辞退希望の有無や理由,不公平な裁判をするおそれなどを調査し,最終的に6人の裁判員を決定します。

私は,裁判員制度がスタートした年に裁判員候補者名簿に登録された経験があります。

当時は,自分とは縁遠い法曹の世界のことと考えていたので,通知が来たときは大変驚きましたが,結局,裁判員に選任されることも,裁判員候補者として裁判所に呼ばれることもありませんでした。

私は,現在,弁護士であるため,裁判員法の就職禁止事由に該当し,裁判員になることはできません。

開かれた司法を目指し,裁判に対する国民の信頼の向上をはかるというのが裁判員制度の趣旨であり,法曹の世界に身を置くものとして,その重要性は,日々の業務の中で痛切に感じています。

ただ,正直をいえば,せっかく候補者として登録されたのであれば,裁判員の選任手続だけでも体験しておきたかったな,と今となっては少し残念な気持ちもあります。

陳述書

本日,名古屋地方裁判所に係属中の訴訟案件について,陳述書を提出しました。

陳述書とは,当事者の体験した事実,意見などを記載した報告文書であり,当事者の主張する事件の全体像やストーリーを明らかにするための事情を,時系列的に記載するものです。

訴訟法的な位置づけとしては,文書証拠に該当します。

陳述書は,時系列的に当事者の主張を整理でき,尋問の時間を短縮できるメリットがあります。

また,主尋問の事前開示という機能を有し,反対尋問の準備にも役立ちます。

陳述書は,今日の裁判実務において定着しており,重要な役割をはたしています。

 

広告表示の適切性

今年1月,チラシ広告も消費者契約法の「勧誘」にあたりうるとする最高裁判決が出たことに伴い,広告表示の適切性についての機運が高まりつつあるようです。

消費者契約法にいう「勧誘」に該当する場合,不実告知や不利益事実の不告知などがあれば,消費者は契約を取り消すことができます(消費者契約法第4条)。

元来,「勧誘」は,対面販売や電話セールスなどの「特定」の消費者に働きかけることと解釈されていました。

しかし,最高裁は,消費者の意思形成に不当な影響を与える行為を規制する法の趣旨に照らせば,「不特定」多数の消費者に向けられた広告であっても,ただちに「勧誘」にあたらないということはできないと判断したのです。

最高裁判決を受け,消費者庁は,消費者契約法の運用指針である「逐条解説」を改訂し,「勧誘」の解釈に関して最高裁判決が存在することを明記しました。

企業は,今後,チラシだけでなくネットにおける広告を理由にして,契約を取り消される可能性もでてきたわけです。

どのような広告が消費者契約法にいう「勧誘」に該当するか,現時点では不透明ではありますが,企業においては,リスクの高い広告表示を見極めるための体制を作り,これを適切に運用することが重要になってくるものと思われます。

司法委員

名古屋簡易裁判所において係属している訴訟案件につき,和解案の打診がありました。

簡易裁判所における和解においては,裁判官のほか,一般市民の中から選ばれた司法委員が大きな役割を果たします。

司法委員は,毎年あらかじめ地方裁判所が「司法委員となるべき者」として選任している人の中から,個別の事件ごとに簡易裁判所から指定されます(民事訴訟法第279条3項)。

社会人として健全な良識のある人の中から,弁護士などの法曹関係者に限らず,医療や税務,機械工学分野などの専門知識を有する人が選ばれたりすることが多いようです。

司法委員は,裁判官が和解を試みるときにその補助をしたり,審理に立ち会って,裁判官に参考となる意見を述べます(民事訴訟法第279条1項)。

ときには,裁判官とともに当事者への説明や説得にあたったりもします。

司法委員は,その豊富な経験や専門知識を用いて紛争の解決に尽力しており,簡易裁判所の事件処理において不可欠な存在となっているといえそうです。

 

土地の評価

国土交通省は,毎年3月に全国の公示地価の動向を公表しています。

それによれば,名古屋圏は,住宅地が前年並みの小幅上昇,商業地が上昇基調にあるようです。

土地の評価方法は公示地価以外にも路線価,固定資産税評価,基準地価など様々なものがあります。

このうち,路線価は,国税庁が毎年7月に公表する全国約34万地点の道路の1㎡あたりの標準価格であり,公示地価の80%を目処に評価されます。

土地の相続税や贈与税の課税評価額は路線価をもとに評価されるため,遺産分割協議等においても,相続財産である土地を路線価に基づいて評価することがあるようです。

道路に面していない土地は,路線価がついていないため,固定資産税評価額に一定の倍率を積算して評価額を算出したりします。

土地の評価方法が違えば,同じ土地でも当然にその価格は違ってきます。

そのため,相続財産である土地の評価を決定するにあたっては,土地の評価方法を相続人間で統一する必要があるといえるでしょう。

 

反訴

名古屋地方裁判所に係属中の訴訟事件につき,相手方から反訴の提起がありました。

反訴とは,ある訴訟の訴訟手続を利用して被告が原告に対して訴えを提起することです。

Aさんが,Bさんを被告として,交通事故に基づく損害賠償請求訴訟を提起したとします。

同じ交通事故で,Bさんも被害を受けていた場合,Bさんは,Aさんの提起した訴訟の中で,同じ交通事故に基づく損害賠償請求訴訟を提起することができます。

このBさんの提起した訴えが反訴です。

反訴を提起したBさんは反訴原告,反訴の相手方となったAさんは反訴被告といいます。

Aさんが提起した訴えとBさんが提起した反訴は,同じ訴訟手続の中で審理され,同一の判決の中で判断されます。

そのため,裁判所は,同じ審理を繰り返すことなく,また,矛盾した判断をすることなく,事件を解決することができるのです。

このように,反訴は,訴訟関係者の労力や費用を軽減し,また,関連する事件を矛盾なく解決するという機能を果たしています。

 

 

 

法制審議会

昨日,会社法及び少年法の改正について,法務大臣から法制審議会への諮問がなされたようです。

法制審議会とは,法務大臣の諮問に応じて,法律の見直しを検討・審議する法務省の付属機関です。

法制審を構成する委員は,諮問されたテーマに応じて部会を設けて議論を行い,法務大臣に答申します。

今回,諮問されたテーマは,株主提案権の乱用を防止するための回数制限等の新措置の検討,20歳から18歳への少年法適用年齢の引き下げの2点です。

法制審では,諮問を受けて「会社法制部会」と「少年法・刑事法部会」を新たに設置する模様です。

重要な法律は,改正案の作成にあたり,法制審の意見を聴くのが通例となっています。

現在,国会で継続審議中の民法改正案も,6年間かけて法制審が審議を行い作成した改正要綱案が基になっています。

国民の生活に大きな影響を及ぼす法律については,十分な議論を行ったうえで改正の方向性が示されなければなりません。

私自身も,弁護士である前に,一国民として,法改正の議論の行方をしっかり見守っていくつもりです。

 

一部執行猶予

私が国選弁護人を務めていた事件につき,本日,名古屋地方裁判所において,一部執行猶予判決の言い渡しがありました。

一部執行猶予とは,主文において

「被告人を懲役3年に処する。その刑の一部である懲役6月の執行を2年間猶予する。」

とされた場合,刑務所で2年6か月間の服役後にいったん釈放され,執行猶予が取り消されることなく2年間が経過すれば,残りの6か月の服役は免れるというものです。

一部執行猶予の制度は,施設内処遇(服役)と社会内処遇(釈放後の保護観察など)を連携して実施させ,改善更正と再犯防止を図ることを目的としており,平成28年6月1日から新たに導入された制度です。

一部執行猶予は,従来の全部執行猶予とは異なり,実刑相当と判断された場合に初めて適用されることになります。

そのため,薬物事犯における前刑の執行猶予中の再犯で,再度の執行猶予が付されないといえる場合には,一部執行猶予を求めていく弁護活動が要求されます。

今後も,刑事事件に限らず,社会の変化に伴う新たな制度に適応した弁護活動が,すべての弁護士には求められていくことでしょう。